EXHIBITION

「浦沢直樹 -漫画という芸術-」展
EXHIBITION
「浦沢直樹 -漫画という芸術-」展

『20世紀少年』 ©浦沢直樹・スタジオナッツ 小学館

ジャパン・ハウス ロサンゼルスでは、国際的に高い評価を受けている日本の漫画家、浦沢直樹の作品を紹介する「This is MANGA – the Art of NAOKI URASAWA」展を開催いたします。同氏の作品展が北米で開催されるのは今回が初めてです。ダイナミックなストーリー展開と圧倒的な画力、豊かなキャラクター設定において現代の巨匠と呼ばれる浦沢直樹。彼の作品には、人間の希望と夢、そして時に人間の恐怖が描かれています。

1983年にプロデビューして以来、浦沢は漫画という媒体の限界を絶えず打ち破り、その巧みな構成力と卓越した画力を通じて表現された内観的かつ哲学的な作品に、読者は熱狂し続けてきました。作品のジャンルはスポーツ、コメディ、SF、ミステリーと多岐にわたります。ユーモアとヒューマニズムに溢れ、時にアイロニーや風刺を散りばめた作品の数々は、日本国内で大きな成功を収めてきました。また、1990年代半ばに発表されたミステリー作品『MONSTER』は国際的な注目を浴び、世界中に浦沢の作品が紹介されるきっかけとなりました。以来、漫画本の売り上げは日本国内だけでも1憶2700万部を超え、20カ国以上で販売されています。成功の要因は、浦沢直樹その人の漫画への情熱とアーティストとしての目的意識に他なりません。グローバル化が進む漫画業界において、彼は独自のスタイルと仕事への献身的な愛情を持ち続け、そこに貫かれた理想には、人間のありように対する妥協なき視点が映し出されています。

さらに、浦沢作品において見落とすことのできないのが、社会的背景と詳細な文化的設定を巧みに漫画に組み込んでいることでしょう。彼の物語の多くは、人類史上のある特定の瞬間と個人的なドラマを結びつけることにより、社会的、歴史的な力が登場人物の行動にどのような影響を与えるかを描いています。例えば『PLUTO』(浦沢直樹×手塚治虫・長崎尚志プロデュース・監修/手塚眞・協力/手塚プロダクション)では、世界で最も強力なロボット同士の戦いの裏に、現実の中東情勢を思わせる複雑な国際関係があります。『BILLY BAT』(ストーリー共同制作:長崎尚志)では、古い巻物が常に人間の弱さを利用して人を操り、歴史の流れを左右します。ピューリッツァー賞の受賞作家であるジュノ・ディアス氏は、浦沢の作品の魅力の一つは「社会の核心に迫り、ほとんどの人がむしろ目を背けるであろう問題に正面からぶつかっていくところ」である、と述べています。

本展では、400点以上の漫画の原画やネームの展示を通じて、他では見られない浦沢の仕事への取組みや思想をご紹介します。『YAWARA !』『MONSTER』『20世紀少年』『PLUTO』『BILLY BAT』『MASTERキートン Reマスター』(ストーリー:長崎尚志)『夢印』の主要7作品から浦沢が選んだ手描き原稿の展示では、原画でストーリーを読むという贅沢な体験をお楽しみいただけます。また、日本でよくある漫画の週刊連載というスタイルを実際に体感していただくために、「YAWARA!」からは連続する4話を1話ずつ、2週間ごとに展示していきます。さらに、ネーム(絵コンテ)の展示を通じて、浦沢の頭の中のイメージがいかにして漫画という形になっていくのか、その過程をご紹介します。浦沢の作品には、それぞれの世界に合わせた個性の強いキャラクターたちが登場しますが、彼らの顔は一目見ればわかるよう見事に描き分けられていて、深みのある、生き生きとした表情を紙の上で見せてくれます。特設の読書コーナーでは、英語に翻訳された作品もご覧いただけます。

加えて、本展では漫画というジャンルに馴染みのない来場者のために、日本の漫画のスタイルについても紹介しています。ストーリーとアートを融合した芸術としての漫画は、19世紀後期に発展した絵と文章を組み合わせた様々な媒体から進化し、現代の漫画のスタイルは第二次世界大戦後、数多くの漫画家たちによって開拓されてきました。なかでも手塚治虫は、物語作りの近代的なテクニック、複雑なキャラクターとテーマ、映画から影響を受けた視覚効果などを漫画に取り入れ、日本では「漫画の神様」と呼ばれています。浦沢の作品に見られる映画的なコマ割り、動き、リズムには、手塚の作品の深い影響が見て取れます。

浦沢直樹の仕事を多様な視点から包括的にご紹介する今回の展覧会。本展は、これまで読者を魅了し続けてきた浦沢直樹の壮大な世界観を知る貴重な機会となるでしょう。

浦沢直樹氏について

1960年、東京生まれ。漫画家。

1983年「BETA!!」でデビュー。代表作「YAWARA!」「MONSTER」「20世紀少年」 「BILLY BAT」(ストーリー共同制作 長崎尚志)など。 近年ではルーヴル美術館との共同プロジェクトとして執筆された作品「夢印」が好評を博し、現在は「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて最新作「あさドラ!」を連載中。作品は現在20以上の国・地域で出版されており、総発行部数は日本国内だけで累計1億2700万部超を誇る。三度の小学館漫画賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞など日本国内での受賞のほか、アングレーム国際漫画祭インタージェネレーション賞、ウィル・アイズナー漫画業界賞最優秀アジア作品など海外でも数多くの賞を受賞している。音楽活動も自身のバンドのライブや映画音楽、番組主題歌の制作など活発で、これまでに2 枚のアルバムを発表している。

 

主催: ジャパン・ハウス ロサンゼルス、読売新聞社
協賛: シミズオクト
協力: N WOOD STUDIO、小学館、講談社、ポマト・プロ、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、ANA、ベイブリッジ・スタジオ、アガサス、ビズメディア
特別協力: 長崎尚志、工藤かずや、勝鹿北星、手塚プロダクション、フジオプロ
アート・ディレクション:  木内海太郎(ポマト・プロ)
監修協力: ステファン・ボジャン(アングレーム国際漫画祭アートディレクター)

 

 
  • 会期
  • 2019.01.23―2019.03.28
  • 月曜日~土曜日
  • 10時~20時
  • 日曜日
  • 10時~19時
  • 閉館日
  • アカデミー賞授賞式 02.24
  • 場所
  • ジャパン・ハウス
    2階ギャラリー
  • 価格
  • 入場無料