EXHIBITION

「里山:森と共に進化する」展
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「里山:森と共に進化する」展

Tsubaki and Koji | Photo by Sergio Coimbra | Studio SC

ジャパン・ハウス ロサンゼルスでは、和食と里山を視覚的に探究する「里山:森と共に進化する」展を開催します。里山とは、日本特有の環境保護の概念です。この展示は、著名な日本人シェフ成澤由浩氏が創作する料理と「料理に自然を持ち込む」ことへの同氏の情熱を垣間見ることのできる写真やオブジェ、成澤氏の日誌、映像で構成されています。

本展では、著名なブラジル人料理写真家のセルジオ・コインブラ氏による写真も60点以上展示されます。これらの写真は、成澤氏とコインブラ氏が、地元の生産者によって提供されるその土地ならではの食材を求めて日本各地を旅した3年間の集大成です。一皿ずつ、料理を実物よりも大きく撮影した写真は、成澤シェフの料理に対する大胆なオマージュであり、食材に秘められた芸術性を、息を呑むほどのディテールと色彩で表現しています。

写真の他に、成澤シェフの料理で重要な役割を果たす一連の品々や、それぞれの料理の背後にある哲学や発想への洞察を示す成澤氏の日誌の一部も展示されます。さらに、漆や手漉き和紙といった伝統的素材を用いた手工芸品を紹介する両氏による共著の試作見本も展示します。成澤シェフの料理は、自然の中の、とりわけ森における自然の仕組みを理解し、享受することを基本としています。微生物、植物、動物、人間、そして季節。これらの相互の関係を、日本人は何百年もの時をかけて探求し、次の世代に伝えてきました。日本の国土の7割を締める森林には、地域社会を持続させる生態系があります。森林の近くで農業システムを作り上げ、持続可能な形で農作物を収穫することで、人間は実際に森と共に進化を遂げてきました。

成澤シェフは、日本を代表する菌である麹、備長炭、樹皮、野から摘んだ葉など、森や野原で採れた食材を用いて料理を作ります。「土のスープ」は、彼の代表的な料理の一つであり、シェフはこのスープについて「食べるものを通じて環境の大切さを表現する」と語っています。成澤シェフの東京のレストラン「NARISAWA」は、ウミヘビのスープから和牛まで様々な料理を提供しており、「世界のベストレストラン50」の常連でもあります。

「里山」という言葉は、人間と自然の関係を捉えたものであり、成澤シェフの料理の中核を成すものです。「里」は「人が住むところ」を、「山」は文字通り「山」あるいは「森林」を意味します。この言葉は、人間は自然にとって異質なものではなく、自然の世界に深く根ざした存在である、という環境保護についての極めて日本的な概念を表すものと考えられます。

成澤由浩氏について

東京都港区にあるミシュラン2つ星レストラン 「NARISAWA」のオーナーシェフ。あらゆるジャンルの料理の伝統調理法を学んだ上で、ジャンルにとらわれない新たな技術を料理に取り入れるシェフのひとり。日本料理に外国の、特にヨーロッパのモダンでイノベーショナルな調理方法を組み合わせ、独特かつ唯一とも言えるスタイルを生み出す。食と環境保護における先駆者とも言える成澤氏は、自然と繋がった料理「土のスープ」、「水のサラダ」、「森のエッセンス」を生み出した。彼は消費者と自然との関係を変化させたのである。「里山」というコンセプトのもと、Madrid Fusion 2010で「最も影響力のあるシェフ」に選出され、サステナブルかつ心にも身体にも優しい美食をテーマに活動し、健康でナチュラルな食事提供を追求。2003年に東京へ移り、「NARISAWA」をオープン。2013年にアジア・ベスト・レストラン50で1位を獲得、2015年世界ベストレストラン50で8位となった。「正しいものづくりをしている生産者たちをサポートし、失われつつある食材や食文化を保護し、世界へと伝えていく。」その活動が評価され、英国Sustainable Restaurant協会主催Restaurant Magazine誌の「Sustainable Restaurant Prize」を受賞。

セルジオ・コインブラ氏について

界でも有数の料理写真家。2011年にフランスの「Festival International de la Photographie Culinaire」コンクールと第17回 Gourmand Cook Book Awardで賞を獲得。シェフのためだけの写真スタジオを構え、Alex Atala、 Massimo Bottura、 Heston Blumenthal、 村上剛、 Carla Pernambuco、成澤由浩、 Nuno Mendesといった世界的にも著名なシェフによる料理の数々を撮影。シェフの一品をアートに変えてきた。また、世界的な美食本を出版(Pierre Hermé 『Chocolat』、Massimiliano & Raffaele Alajmo兄弟『Fluidità e 178 hore in Brasile』、Alex Atala『Redescobrindo Ingredientes Brasileiros』、Felipe Bronze『Cozinha Brasileira de Vanguarda」、成澤由浩『里山』他)してきた他、世界各国で様々な展示会も実施している(『Alimentário 』展(イタリア(2015)、ブラジル(2014))、『Collections Chefs – Guildhall - 50Best 』(イギリス/ロンドン(2014))、『Fluiditá』– Library Bienalle(イタリア/ベニス) 、『Encuentro』 – Basque Culinary(スペイン/サン・セバスチャン)、『Marmitas』– Galerie DUPON(フランス/パリ (2011))。


「里山:森と共に進化する」展  
主催: ジャパン・ハウス ロサンゼルス

企画制作: フェリペ・リーベンボイム |  Ritual Cultura e Entertainmento/Base7


 
  • 会期
  • 2018.06.21―2018.07.29
  • 場所
  • Japan House 2F ギャラリー
  • 価格
  • 入場無料