EXHIBITION

山中俊治 「 Prototyping in Tokyo 」展
先導するデザインの制作絵巻
EXHIBITION
山中俊治 「 Prototyping in Tokyo 」展
先導するデザインの制作絵巻

Ready to Crawl | Photo by Yasushi Kato

これは「プロトタイプ」とその作り方の展覧会である。
プロトタイプは単なる試作品や実験機ではない。
まだ研究途上にあって社会に出て行くのを待っている技術に、
クリエイターのアイデアが合流することによって、
未来を具現化するショーピースである。

山中研究室は、慶應義塾大学と東京大学という日本を代表する二つの大学で、
そこで育まれている先端技術をコアとして様々なプロトタイプを制作してきた。

本展ではその制作過程もあわせて展示する。
描き散らされたアイデアスケッチ、
手探りの試作、失敗作の数々…
なんとかたどり着いた現在地、そして未来。
日本の先端技術と美意識を紹介し、
イノベーションのプロセスを伝える展覧会である。

「Prototyping in Tokyo」展は、デザインエンジニアで東京大学教授の山中俊治が研究室のメンバーと共に開発してきた様々なプロトタイプを紹介する、インタラクティブな展覧会です。
山中研究室では、ロボティクスなどの先端技術故にデザインの手法が確立していない領域、先端製造技術がもたらす新しいものづくり、あるいは人の身体と人工物がこれまでになく密接に関わっている医療分野へのデザインの導入を試み、プロトタイプを制作し、未来の人工物のありかたを研究してきました。
この展示では、日本人の美意識と日本の先端技術が融合したプロトタイプの数々をとおして、先端技術がもたらす未来を描きます。

山中教授は、腕時計から自動車に至るまで、多岐にわたる革新的なプロジェクトに携わってきました。「ユーザーと人工物との関わり全てを計画し、幸福な体験を実現する技術」をデザインの役割と定義し、近年は「美しい義足」や「生き物っぽいロボット」など、人とものの新しい関係を研究しています。

「Prototyping in Tokyo」展は、さまざまなプロトタイプに触れる貴重な機会となります。プロトタイプの開発プロセスが絵巻物のような形で展示され、来場者は個々のプロジェクトの背後にあるストーリーを追体験することができます。

展示されるプロジェクトは7つ。いずれも長い紙のように軽やかなテーブルに、最先端技術がもたらす未来の人工物のあり方が、繊細で丁寧な日本的な美意識が込められたものづくりのプロセスと共に絵巻物として描かれています。これらのプロトタイプや開発ストーリーを通じて、来場者と研究者がつながり、東京で創造、発信されている未来を共に思い描くことができます。

例えば“READY TO CRAWL”という一連のロボットは、3Dプリンティングとして知られる積層造形によって全ての部品が一体成形されています。動きを生み出すモーター以外の部分は、まさに“READY TO CRAWL(今すぐ這い出せる)”ように、完成された状態で誕生します。組み立ての必要ない、全く新しいシンプルな構造で、なめらかな動きを実現しました。
一方“Apostroph”というロボットも、別な観点で生き物のような動きを実現しています。ゆるやかなカーブを描く複数のフレームをつなぐ関節に、外力に反発するようプログラムされたモーターが内蔵された“Apostroph”は、赤ちゃんが初めて立ち上がろうとする時のように重力に抗い、安定姿勢を探して動き続けます。一つ一つ異なる動きをするさまざまなロボット群に触れて、見て、未来を感じて下さい。
また本展では、人体と人工物の調和を追求した「美しい義足」プロジェクトも紹介されます。パラリンピックの2012年ロンドン大会および2016年リオ・デ・ジャネイロ大会で日本代表となった高桑早生選手のために開発された陸上競技用下腿義足シリーズ“Rabbit”の成り立ち、開発プロセスから、軽量で高強度なドライカーボンとチタンを用いて作られた高性能義足 “CR-1”、3Dプリンタを用いて作られた様々な人に応用可能な “Rami”など、最先端の技術によって実現した美しい義足のプロトタイプが展示されます。

「Prototyping in Tokyo」展は、新しいテクノロジーから得られるインスピレーションが形になっていく思考プロセスを示すとともに、テクノロジーがもたらす未来のビジョンを来場者と共有する場でもあります。本展は同時に、プロトタイプが展示作品になり得ること、未来への架け橋として、テクノロジーの価値と社会を明快につなぐ存在であることを物語っています。

一般公開は2018年8月17日より。

Skeletal Automation: Archer on a Boat |
Photo by Yukio Shimizu

Clockoid | Photo by Yusuke Nishibe


Apostrph | Photo by Yasushi Kato

Rami: Additively Manufactured Running
Specific Prosthetics
Photo by Yasushi Kato



  • 会期
  • 2018.08.17―2018.10.10
  • 月曜日~土曜日
  • 10時~20時
  • 日曜日
  • 10時~19時
  • 場所
  • ジャパン・ハウス2階
    ギャラリー
  • 価格
  • 入場無料