EXHIBITION

BAKERU | Transforming Spirits
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BAKERU | Transforming Spirits
 

『BAKERU: Transforming Spirits』は「化ける」という行為を通して日本の郷土芸能の神秘的な世界へと来場者をいざなう体験型の展示です。また、長年受け継がれてきた伝統行事と急速に進化するデジタル技術、東北地方と世界、そして日常と非日常など、様々な要素をつなぐ空間でもあります。

本展では、仙台で誕生したビジュアルデザインスタジオ「WOW」によるインタラクティブなデジタル技術を用い、日本の伝統文化への理解を深める4つの郷土芸能をモチーフとした映像インスタレーション作品を紹介します。自然の力は人々の生活を大きく左右します。自然が持つ変革力は、季節ごとの祭りに象徴される郷土文化、特に東北地方の郷土文化に大きな影響を与えています。

『BAKERU』は日常の延長線上で非日常の空間を体験できるようデザインされています。ここではインタラクティブ技術を駆使して鑑賞者を「神の使い」に化けさせ、非日常の世界へといざないます。この展示空間で表しているように、人知を超えた世界と日常の世界は同一線上に存在しており、『BAKERU』は私たち人間が常にどちらの世界にも近いところで生きていることを思い出させてくれます。

本展の主役は4つのインタラクティブなスクリーンです。 東北の郷土芸能を再現したプロジェクションの中に、モーションキャプチャー技術を駆使して鑑賞者の姿が映し出されます。鑑賞者がお面をつけて映像スクリーンの前で体を動かすことで、「神の使い」の姿に変身して楽しむことができます。

祭りなどの伝統行事では、神や神の使いが自然界からの化身として現れ、一時的に人間と時間を共にすると考えられています。『BAKERU』は、東北の異なる地域で始まった4つの郷土芸能をモチーフにしています。

  • 宮城県仙台市秋保地方に伝わるの田植踊に登場し、五穀豊穣を願って踊りを披露する早乙女。早乙女役の少女たちは、田の神の化身であると信じられています。
  • 鹿踊は岩手県や宮城県で受け継がれている伝統舞踊であり、踊り手は鹿などの獣を真似て身体を前後に大きく揺らして自然の恵みに感謝します。このような獣に扮する踊りは、世界各地に共通して見られる芸能文化です。
  • 山形県上山市の伝統行事、加勢鳥。藁のミノを被って、鳥の鳴き声を真似ながら若者が真冬の町をねり歩きます。住民は彼らに手桶で祝いの水をかけ、火伏せや商売繁盛を願います。ミノから抜け落ちた藁は縁起物です。
  • 秋田県男鹿半島のなまはげは、毎年大晦日に怠け者や悪さをする子供を探して山から下りてきて家々を訪れます。なまはげを迎える家では、昔からの作法に従って料理や酒を準備して丁重にもてなし、なまはげを満足させることで家の幸福を約束してもらいます。

このような年に一度の伝統行事は、教育的・社会的な秩序形成において有益なものでした。また、雨や太陽が動植物を育て、海が魚をもたらし、丹念に耕された田畑は豊作をもたらすというような、人間と自然との共生について、意識させてくれるものでもあります。

しかし、自然そのものが次第に軽視されるようになり、このような人の生活に密着した芸能や行事は意味が薄れ、は存続の危機に瀕しています。加えて2011年の地震と津波により、人口減少と地域社会の分断が加速し、伝統的な祭りの継続がさらに危ぶまれる事態となっています。WOWはインタラクティブなデジタル技術を利用し、デジタル世代の若者も含め世代や地域を超えて多くの人々に郷土芸能に触れてもらう機会を提供するべく、『BAKERU』作品の制作に注力しました。

WOWは、現代のデジタル表現を用いることにより、季節ごとの東北の郷土芸能をインスタレーション内で体験可能なものにしました。来場者は、自分以外の存在、人間以外の何者かへと「化ける」という不思議な力を体験できます。さらに、コミュニティの構築を問い直し、伝統や郷土芸能を永続的に引き継いでいく試みです。

WOWについて

東京と仙台、ロンドン、サンフランシスコに拠点を置くビジュアルデザインスタジオ。CMやコンセプト映像など広告における多様な映像表現から、さまざまな空間におけるインスタレーション映像演出、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない幅広いデザインワークをおこなっている。さらに、近年では積極的にオリジナルのアート作品やプロダクトを制作し、国内外でインスタレーションを多数実施。ビジュアルデザインの社会的機能を果たすべく、表現の新しい可能性を追求し続けています。
www.w0w.co.jp
bakeru.jp/la

主催   ジャパン・ハウス ロサンゼルス
協賛   ANA (All Nippon Airways)、Panasonic
協力   東京鹿踊/行山流舞川鹿子躍、男鹿市、馬場田植踊保存会、FabLab Sendai FLAT、福永紙工、有限会社 cap 、伊藤裕
アート・ディレクション   WOW
監修協力   縦糸横糸合同会社、東北スタンダード

Japan2019
  • 会期
  • 2019.07.17―2019.10.06
  • 月曜日~土曜日
  • 10時~20時
  • 日曜日
  • 10時~19時
  • 場所
  • ジャパン・ハウス
    2階ギャラリー
  • 価格
  • 入場無料