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ジャパン・ハウス

EXHIBITION

『隈研吾-エターナル・エフェメラル』展
EXHIBITION
『隈研吾-エターナル・エフェメラル』展

Research Center - (c) Daici Ano

Research Center - (c) Daici Ano

「隈研吾氏は、日本でも有数の創意的な建築家の一人である。彼の作品のエッセンスは、日本建築の伝統を基本に、コンテンポラリーで革新的なデザインを生み出すところにある。光を透過させる空間、自然光、有機的エレメント、工芸的技術等を使用する印象的な各建築物は、強い個性と包まれるような感覚を生み出し、一過性ではない存在感を与える。ジャパン・ハウス サンパウロのデザイン監修を担当した隈研吾は、2020年東京オリンピックの新国立競技場、日本の前近代アートに捧げる東京の根津美術館等、世界を舞台に数多くの作品を手掛けている。


Tee Haus - (c) Antje Quiram
Tee Haus - (c) Antje Quiram
 

隈作品における知的要素の一つは、「間」に対して新しい意味を持たせる、その方法にある。日本では、建てるということは、空の空間を創造することであり、西洋が常識とする「無」に対する理解とは根本的に違う。日本文化における「間」は可能性を生み出す場であり、建築はその機会を生成するものである。隈は、建築が自然または周辺環境から突出し過ぎないことが大切であると考え、建築は周りの環境に負けるべきであり、勝ってはいけない存在であると言う。このような価値観を様々な作品で表現し、現代的なアイデンティティーを強く持たせていることが、彼が今日の日本建築の柱の一人とされる理由である。美しさと機能を備える作品は世界的に評価され、現在五大陸全てにおいて活動している。
 

頻繁に地震などの天災が発生する日本においては、物を作り出す知識があることも貴重な財産となる。もし何らかのものが崩壊してしまえば必ず再建する必要がある。そして技術的な知識を保持することは記憶を保存する基本的な手段である。他方、それを達成するための最良な方法は、我々の時代のデザインと向き合いながら、技術を常時更新していくことであろう。隈はそのことを理解する数少ない一人であり、自身の作品プロセスに竹、和紙、木造建築技術による数寄屋造り等を取り入れ、人工的であることより有機的であることを優先する。その作品の中に、物質的・機能的な弱さを取り入れることで、明確な伝統とは異なる道を自身の建築として表現している。隈研吾は、「儚さの永遠化」を選択したのである。
 

本展では、従来の建築の域を超えるクリエイティブな隈研吾作品の中から、これまでとは異なる側面を紹介したい。それらは広範囲に及ぶ建築のプロセスそのものへの介入とテンポラリーな建築(パビリオン、彫刻、空間の仕切り、組み立てを意図したモジュール等)である。ヘリウムガスの風船と布でもって現出されたコンセプチュアルな茶室「浮庵」、そして音楽家坂本龍一氏と共作した、人々の創造力を刺激するモデルである「TSUMIKI」のV形ブロックは、建築物の大きな可能性と建築的なアイデアとの相関性を表現している。隈は、「場」の意義は自然と時間が出会うことにあると、自らの作品を通じて定義する。
 

隈研吾は「コボゴ」という新しいインスピレーションをブラジルで見つけた。コボゴとは1930年代においてレシフェ市を発祥地とする空洞ブロックである。考案者はブラジル人エンジニアの、アマデウ・オリヴェイラ・コインブラ、エルネスト・アウグスト・ボックマン、アントニオ・デ・ゴイスの三人で、コボゴという名は、この三人の姓のイニシャルを取ったものだ。隈はそのブロックを工夫してジャパン・ハウス サンパウロの側面壁と庭を飾る彫刻を作り出した。我々は、隈が「インスピレーションを生成する空間」を作ってくれたことによって、ブラジルと日本文化を結ぶ多くのドアが既に開かれていると確信している。本展を通じて、当館における革新的な体験を生む本質的な器を作り出してくれた芸術家・思想家・建築家の隈研吾に敬意を表したい。」

ジャパン・ハウス サンパウロ  マルセロ・ダンタス企画局長


(c) Kengo Kuma and Associates
(c) Kengo Kuma and Associates
 

  • 会期
  • 2017.07.18―2017.09.10
  • 火曜日~土曜日
  • 10h ~ 22h
  • 日曜日・祝日
  • 10h~ 18h
  • 価格
  • 入場無料